Excel派の私が「脱Excel」を決意した5つの成功事例を紹介します。
Excelは確かに便利だけど……長くビジネスで使っているとデータの共有や管理で困った!大変だった!なんて経験、ありませんか?
この記事では、Excel派の筆者が昨今の働き方改革を受けて「脱Excel」を決意した理由と選んだ解決策についてご紹介します。 また、Excelの出来ること、出来ないことを改めて洗い出す事で見つけた脱Excelの5つの成功事例をまとめてみました。
【成功事例11選】
Excel→UnitBaseへ切り替えた
事例集
Excelは同時編集ができなかったり、作成者がわからない「野良マクロ」が蔓延してしまったりと、DXの妨げになってしまうリスクを内包しています。
本資料では、Excelから切り替えたことで、業務の大幅な効率化に成功した11社の事例をご紹介しています。
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働き方改革から「脱Excel」を考えてみた
はじめまして。ライターのミヤコです。私は会社に入って最初に教育担当についてくださった先輩が、PC作業はほとんどExcelという、いわゆる「Excel職人」でした。その影響もあって、私もExcel派です。簡単なVBA止まりなので、職人とはとても言えませんが。
だってExcelってすばらしいソフトじゃないですか。これまで散々お世話になってきました。企業系のパソコンならだいたいインストールされているので、誰にでもある程度は使えますし、向こうで開けるかなとか気にせずデータをやりとりできます。言語で言えば、英語のような存在です。
しかも、高度な関数も使えますし、先輩のようにExcel方眼紙で図を描いたり、Webサイトのワイヤーフレームをつくったりする人までいます。IT業界がRPAで燃え上がるずっと前から、マクロやVBAで自動化に取り組んでいましたしね。思わず「偉い!」と言いたくなります。
マーケティング部門でBIを使って売上予測をしようという話が出たときも、先輩は「簡単な回帰分析ならExcelですぐできるよ」と目の前で見せてくれて、目頭が熱くなりました。最初に聞いたときは「怪奇分析?」と思ってしまったのは内緒ですが。
さて、そんな「Excel派」の私ですが、情シスをサポートする部門に部署異動となり、働き方改革、生産性向上の大号令のもと、まずはグループ・セクション横断的に「工数削減」に取り組むことになりました。
新しい部署で最初に当たった壁が、グループによって違う日報フォーマットです。違うExcelフォーマット(Excelのバージョンやつくり方が違う!)、違うソフト(「Access」「Word」「一太郎」!)、違うプラットフォーム(「Redmine」)に気絶しました。データをまとめるのが大変で…。
ちなみに私が使っていたのは、大先輩(マーケの先輩とは別)のExcel職人がマクロを組んだ便利Excelファイルですが、誰もメンテナンスできませんでした。これも調べてみると他の企業でもよくある話だとか。これは良くないですね。効率も良くないし、継続性もないし、精神衛生上も良くないです。
そこで、「そうだ、『脱Excel』してみよう」と思い立ちました。業務標準化しないと私がぶっ倒れそうです。さっそく部門長に相談すると、「エビデンスください」と一言。わかりました、ちょっと調査してみます。
企業のExcel利用実態調査から見えるExcelのすごさ
さっそくインターネット調査を行ってみました。名付けて「業務標準化に関する実態調査【2019年版】」。ビジネスパーソンのみなさんは「脱Excel」について、どう思っておられるのか、会社員の男女約800人の方に聞きました。
すると、驚くようなデータがざくざく出てきました。
会社員の70%が「一番使うオフィスソフトはExcel」と回答
現在の職種が経営、会社員、公務員という方に、最も利用頻度が高いオフィスソフトを聞いたところ、1位は「Microsoft Excel」で69.9%。2位の「Microsoft Word」は19.0%なので、3倍以上です。3位以下も「Microsoft PowerPoint」7.2%、4位「Microsoft Access」1.8%と、マイクロソフトのアプリケーションが並びます。
「Excel職人」がいる企業は40%
マクロやVBAを使いこなせるExcelのエキスパートがいる(かなりorやや思い当たる)という人は全体の40%を超えます。特に誰にも頼まれていない勝手活動としてはすごい率です。はい、私はもちろん「かなり思い当たり」ます。
メンテ不可能な「闇Excel」が存在する企業は32%
上のグラフで大きく頷いたのが、「メンテ不可能となったExcelファイル」。会社に「作成した本人が不在になりメンテナンス不可能となったExcelファイルがある」があると答えた方は32%にも上りました。現在の職種が「情報システム」と回答した人に限ると、48.5%が「ある」と回答しています。半数の会社にある「闇Excel」ファイル、情シスにさえメンテナンス不可能とは、Excelの奥の深さを感じさせます。
「元のデータがどこを参照しているのかわからないExcelファイル」、「1万件以上のデータを管理している大容量のExcelファイル」というのも危険が一杯です。なんとか動作しているので、見ないふりをして運用している会社も多そうです。
脱Excel含む業務標準化に取り組む企業は20%
働き方改革や生産性向上など、業務改善に関する考え方のひとつでもある「業務標準化」。特定の人に頼って属人化した業務をマニュアル化・定型化し、多くの人ができるように共有することです。脱Excelがその象徴的な存在ですね。その業務標準化について、「職場で具体的に取り組んでいる」と回答した人は20.1%に留まりました。認知率(※)自体は59.3%と高いので、知っているものの取組みまでは至っていないという企業がまだまだ多いことがわかりました。
※「具体的に取り組んでいる」「具体的な取り組みには至っていない」「聞いたことはあるがよく知らない」の合計
脱Excelの効果を感じる企業は75%
実際に取り組んでいるのは2割でしたが、取り組んでいる企業の4割以上が「効果を感じ」、3割以上が「効果を感じ始めた」という状態です。逆に、全くorあまり効果を感じていない企業は4.3%に過ぎません。
利用率を見てもガリバー的存在と言えるExcelですが、一旦業務標準化として脱Excelしていけば、効果はあると言えそうです。
Excelにできること、できないこと
調査結果を見て感じたのは、Excelの浸透度のすごさですね。なくなって困るソフトは?なんていう質問をしたら、ほとんどの票を集めそうです。脱Excelと言っても、Excelを一掃するのではなく、「活エクセル」という視点で今のExcelを活かしながら業務を標準化するのがいいのかも、と思いました。
そこで、あらためてExcelのできること、できないことを整理してみます。
○ Excelにできること、得意なこと | × Excelにできないこと・不向きなこと |
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当たり前ですが、Excelも万能ではありません。たとえばExcelのワークシートはデータの最大数が決まっています。最大行数が1,048,576 行、最大列数が16,384 列とかなり大きいですが、ビッグデータであればこのぐらいの行列数はあり得る数です。他にも、列の最大幅やセル内の文字数など、いろいろな制限があります(※)。
個人的には、複数人の同時編集ができないのが不便です。今では複数の拠点やスタッフが同時に更新したい書類などは、Excelではなく、Googleスプレッドシートを使うことが多くなってきました。
Excel職人の方が技を駆使すれば、Excelでも業務標準化できなくはないのかもしれません。ただ、そうすると、「使う人のスキルに左右されてしまう=属人化してしまう」ので、標準化とは逆を向いてしまいます。
では、脱Excelと一言で言いますが、他の企業はどんな風に脱Excelに成功したのか。手前味噌ですが、ウチ当社のUnitBaseの導入事例をあらためて目を皿にして熟読してみました。ので、ご紹介させてください。
UnitBaseとは?
ノンプログラミングWebデータベースソフト「UnitBase」
ジャストシステムが提供するノンプログラミングWebデータベースソフトです。顧客管理や案件管理、ワークフロー管理、帳票出力など、あらゆるデータ管理をプログラミング知識不要で構築可能。誰でもわかりやすく使い易いユーザーインターフェース、オンプレミスでの利用、ユーザー数ではなく同時アクセス数による料金体系が大きな特徴です。
脱Excelに成功した5つの事例から学んだこと
属人化した業務を脱Excelで標準化・定型化した5社の業務改善ストーリーをご紹介します。
【事例1】最短30分でシステム開発可能なデータベースの採用で脱Excelと「攻めの情シス」を実現
株式会社サカタのタネ
- 業種:種苗メーカー
- 所在地:神奈川県横浜市
- 従業員数:680名/連結2,275名(当時)
脱Excelの背景
花や野菜の種子の研究開発と農園芸用品の販売で知られるサカタのタネ。従来の情報システム部門は、システム開発を担うSI企業との窓口的な役割で、部門ごとにExcelやAccessでつくられた個別システムが乱立していました。この問題を解決するために、情報システム部の役割を見直すとともに、「システム開発の内製化」に着手したそうです。
データベース採用の決め手
情報システム部門の限られた開発リソースを活用し、ユーザー部門からの多くの要望に応えるためには、開発生産性を高める必要があります。そこでプログラミングなどの工程を極力削減できる超高速開発ツールの導入を検討。複数の候補を比較した結果、ノンプログラミング開発、圧倒的な使いやすさ、オンプレミスでの利用、同時ログインライセンス方式の料金体系などが評価され、UnitBaseが採用されました。
データベース導入の成果
教育の必要がなく使えることや、元になるExcelファイルがあればわずか30分でシステムが開発できるというスピード感が奏功し、システム内製化のサイクルが回り始めました。ExcelやAccessからの置き替えを中心に、すでに多くの用途でUnitBaseを活用。ユーザー部門からITやシステムについて相談を受けることも増え、業務の円滑化や事業の拡大といった「攻めの情シス」への変化に大きく貢献しています。
【事例2】全国150拠点・3000台のPC管理をExcel+紙から、Webデータベースへ。情報共有や申請フローの効率化を実現
株式会社アコーディア・ゴルフ
- 業種:ゴルフ場の運営・管理
- 所在地:東京都港区
- 従業員:10,325名(アルバイト等含む、2019年3月末時点)
脱Excelの背景
日本全国でゴルフ場やゴルフ練習場を展開するアコーディア・ゴルフ。全国各地の150拠点、3000台ものPC機材の管理は情報システム部がExcelファイルで行い、各拠点は各機材のレンタル料やレンタル期間などを毎回情報システム部に問い合わせるという煩雑な形になっていました。新しいPCを手配するための稟議書が紙ベースでの提出だったことも負担だったそうです。
データベース採用の決め手
Excelファイルによる管理に限界を感じ、資産管理の専用パッケージへの置き換えを検討しましたが、不要な機能が多い一方、同社の業務に合っていないものが多かったそうです。そんな中でWebデータベースのUnitBaseを知り、Webブラウザーで使えることや、メール通知機能、決裁フロー構築機能を持ち、複数の用途で活用できる汎用性もあり、費用対効果としても申し分なく、ほぼ即決で導入を決定したといいます。
データベース導入の成果
機材情報を各拠点で確認でき、レンタル機材の返却期限通知も自動化されたことで、作業コストの大幅な削減を実現。新規発注の申請も電子化でコストを従来の3分の1に圧縮できると試算されています。さらに、インシデント管理や社内システムの変更管理など、ITプロセス管理にも活用範囲が広がっているそうです。
【事例3】共有データベースで問い合わせ対応を迅速化、現場との共同作業がシステム開発のイメージを変える
早稲田大学
- 業種:大学運営
- 所在地:東京都新宿区
- 従業員:2784名(2018年12月現在)
脱Excelの背景
早稲田大学では590室ある教室で使用する機器についての問い合わせ受付・対応を、複数チームがExcelやAccessファイルを使って記録していました。進捗状況がすぐには把握できなかったり、対応履歴の分析に時間が掛かっていたといいます。そのため、情報を一元管理できるシステムの構築が必要とされていました。
データベース採用の決め手
問い合わせの対応には、窓口担当や実際に現地で対応を行う複数のチームが連携して業務を行うため、対応状況を共有するには、Webブラウザーで使えるデータベースが最適。その中でも、開発とメンテナンスが容易で、システム担当と現場担当が共同でデータベースを構築できる点が高く評価され、UnitBaseの採用が決まりました。
脱Excelの成果
UnitBaseを共有データベースとして受付から対応までの情報を一元化。進捗状況がリアルタイムで確認できるため、人員配置や立ち会い確認などで先を読んでトラブルを未然に防ぐ対応が可能になりました。UnitBaseはドラッグ&ドロップなど直感的な開発インターフェースを持つため、現場を巻き込んだ効率良いシステム構築ができるようになったといいます。
【事例4】Excelでの管理から、多岐にわたる業務のシステム化をデータベースで実現、総務部門の効率化を進める
株式会社オーディオテクニカ
- 業種:音響・映像機器メーカー
- 所在地:東京都町田市
- 従業員:580名(2018年6月現在)
脱Excelの背景
高品質なオーディオ機器を提供し続けるオーディオテクニカ。総務部門が担当する様々な業務において、データや進捗の管理はほとんどがExcelファイルだったそうです。しかし、共同作業やデータの検索・集計作業の効率化、情報セキュリティ面で課題が多く、データベースを基盤としたシステムへのニーズが高まったといいます。
データベース採用の決め手
これまでAccess、Notesなどのツールを使ったシステムの運用実績はあったものの、構築やメンテには専門知識が必要です。しかしWebデータベースのUnitBaseでは、マウス操作やExcelファイルの取込など、ノンプログラミングでシステム構築ができる点が評価されました。また、Windows7のパソコンでも導入でき、多忙な情報システム部門に依頼しなくても、現場が自分たちで簡単にシステム管理ができる点もあって採用を決めたそうです。
脱Excelの成果
UnitBaseで最初に構築した新任・異動社員に対する各種手続のデータベースでは、データ更新に連動したメール通知で漏れ・遅れのない対応を実現しています。また、社内FAQの管理、問い合わせ管理、日報管理など、チームで行うさまざまな業務への適用を拡大させ、受付から対応までの情報を一元化。誰でもリアルタイムに作業の進捗状況が確認可能になり、効率UPに繋がっているといいます。
【事例5】Excel管理が限界を迎え、Webデータベースを導入。急増したふるさと納税の申し込みにも人員を増やさず対応
飯山市役所
- 業種:地方自治体
- 所在地:長野県飯山市
- 職員:210名(2016年4月1日現在)
脱Excelの背景
ふるさと納税を実施する1700もの自治体の中で、寄付の件数・金額いずれも上位に位置する長野県飯山市。取り組みを強化した2014年には申し込みが前年の約17倍に急増。データを管理していたExcelファイルの起動や検索に時間が掛かり、フリーズなどのトラブルが頻出、大量のデータでも迅速に処理できるシステムの構築が求められていました。
データベース採用の決め手
検討にあたっては、OSやソフトウェアのバージョンアップによる作業が不要なWebベースであることや、市役所の中でクローズドに情報が管理できるオンプレミス型であることなどが要件になりました。比較検討の結果、直感的なUIや帳票機能など、業務に直結する製品性が評価され、UnitBaseが採用されました。
脱Excelの成果
クラウドでなく、オンプレミスながら、わずか3カ月で要件定義から稼働まで完了しています。そのため、申し込み数が増えても、従来と同じ人数で効率的な運用が可能になりました。帳票出力機能を使い、発注書や送付状などの各種書類がボタン一つで出力できるようになり、効率が上がっています。軽快な動作で、電話でのお問い合わせに対してもその場で回答できるようになり、お客様の満足度も上がったといいます。
さて、5つの事例を見てきて、Excelは大量データの処理や情報共有、ワークフロー管理にはやはり向いていないと改めて実感しました。新しくシステムを導入するにしても使いやすさや現場との協力体制の構築は重要ですね。
話は戻りますが、部門長はどうやって工数管理しているんだろう?と思って聞いてみたところ、複数のフォーマットで送られてくる日報をCSV出力したりして、Excelで集計しているのだとか。何だ、結局私に指示して、自分が楽になりたかったわけですね。よし、じゃあまずは現場にヒアリングして、日報をUnitBaseでデータベース化してみよう。
まとめ:意外と上手くいった日報管理移行が教えてくれたこと。
結局、UnitBaseで日報システムを作成するのは簡単でした。私のパソコンで完結しました。いきなり全社展開するのは怖かったので、とりあえずスモールスタートで、自分のグループから始めてみました。
最大の敵は「オペレーションの変化」。私のグループはシステムに詳しい人が多いですが、それでも「日報変わるのかよ、めんどくせえよ」と言われるのは予測できました。
そこで、ルックアップ(他のデータベースからのデータ参照)などの機能も使って、入力がしやすくなるよう工夫しました。運用マニュアルも作って、いちおう研修もやりました。結果、使い方についての問合せはまだ1件もありません。驚くほどすんなりと移行できたようです。
こんな形で、派遣スタッフさんの日報や、新人さんの日報などが運用されています。
今までと違って、
- 入力が簡単で日報に割く時間が短縮できた
- 日報データがどこにあるのか探し回らなくて済むようになった
- メールの未着(「あっ、迷惑メールのフォルダに入ってた」)による抜けがなくなった
- クリエイティブ系のExcelが入っていないPCでもブラウザで入力や確認できるようになったことで、かなり仕事の効率が上がった実感があります。
ちょっとした業務の改善の積み重ねが、「大きなコスト削減になる」ことが確信できました。今後は、もっといろんな業務を改善してきたいですね。もちろん、脱Excelなのか、活Excelなのかをきちんと見極めながら。
新たに情シスリサーチを担当することになった元デザイナー。
チームの「業務効率を上げる」ことと「アウトプットの質を上げる」ことに情熱を注ぐ。とにかく「UnitBase」が好きでなんでもデータベース化したがる。口癖は「そのプロセス、見直しませんか?」休みの日はたいてい、愛犬の散歩をした後にお気に入りのドッグカフェでベリーのパンケーキを食べる。甘いものもお酒も大好きなグルメリサーチャー。
【成功事例11選】
Excel→UnitBaseへ切り替えた
事例集
Excelは同時編集ができなかったり、作成者がわからない「野良マクロ」が蔓延してしまったりと、DXの妨げになってしまうリスクを内包しています。
本資料では、Excelから切り替えたことで、業務の大幅な効率化に成功した11社の事例をご紹介しています。