5つの成功事例から考えた業務効率化のアイデア
働き方改革や新型コロナによる経済の変化にあわせて、長時間労働の対策や働きやすい環境づくりに取り組んでいる企業も多いかと思います。
業務効率化の一番の目的は、生産性の向上による利益増大です。業務を効率化することにより、ムダなコストや労働時間の減少などが実現できます。業務効率化に成功すれば、従業員と経営層双方に大きな価値となるはずです。
とはいえ、具体的にどうすれば業務効率化が成功するのかわからないという方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、働き方改革に成功した事例をくわしくご紹介いたします。
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事例から考える業務効率化
業務効率化とは、生産性を向上させることで会社の利益を最大化させることです。業務効率化ツールの導入も手法の一つになります。
まずは業務効率化を行う前に確認しておきたい3つのポイントについてご紹介します。
現状の組織の課題を把握する
業務効率化を行うには、まず現状の把握が大切です。それぞれがどのような業務が行われているのか、工数はどの程度使用しているのかを書き出してみると良いでしょう。
トップダウンでの施策ではなく実際の現場の社員と共に細かくタスクを洗い出し、分析することで優先順位や効率化の焦点を当てるべきポイントが見えてくるはずです。
属人性のあるタスクや隠れている課題は、本人たちにしかわかりません。また、工数が大きく影響が大きなタスクであっても、めったに発生しないタスクであれば優先度は下がります。そのため、現場社員と話し合ってみることをおすすめいたします。
目的を定める
なんのために行うのか、誰のためにツールを導入するのかを明確にしましょう。導入する前にはっきりとさせることで業務効率化を行う際の失敗を減らすことができます。その目的をしっかりと従業員や経営層に浸透させることが大切です。
ゴールから逆算しながら、フローを組み立てていくとスムーズに業務効率化のツールの移行や従業員の賛同を得ることができるはずです。
実現可能な体制を整える
実際の業務状況を無視して制度やシステムが先行してしまうと、社内の風土や実際の業務フローにおいて混乱が生じ、最終的に余計な手間が増えてしまいかねません。業務が効率的に行われる体制やフローを確立させた上で、効率化施策を運用していきましょう。
思ったのとちがった、社内のプロセスや社風に合わなかったという場合に備えて、まずはスモールスタートで始めると良いかもしれません。ツールであれば無料トライアルや無料版などを一度導入することで、より一層イメージとの乖離はなくなるはずです。
業務効率化の準備についてイメージは湧きましたでしょうか。次に、業種や用途別に実際の業務効率化の成功事例を5つ詳しくご紹介いたします。
業務効率化の成功事例
業務効率化は、ある一定の職種や業種の人だけが実現できるものではありません。ここでは、様々な業種の成功事例をまとめました。
営業のナレッジ共有で業務効率化を実現
株式会社白崎コーポレーションは防草シートをはじめとした資源保護に配慮したリサイクル事業や美しい緑を守り育てる緑化事業を行っています。自然環境を相手にするからこそ、効果を出すノウハウを得るには何年にもわたる情報の蓄積が不可欠でした。こちらの企業はナレッジ共有の強化に着目し、SFA(営業支援ツール)を導入しました。
担当が変わってしまってもしっかりと情報が共有できるのがSFAの魅力です。日々の営業データを蓄積することで、営業パーソンごとの強みや弱点などを伸ばせるようにマネージャーがフォローしやすくなりました。このことにより営業の効率が格段にアップしました。
また、公共事業などの特殊な営業プロセスのフローを保存することで勝ち筋が見え、どんな場合でも効率的な営業を行う事が可能になったのです。
RPAやExcelの自動化で業務効率化を実現
様々な保険を取り扱う三井住友海上火災保険株式会社は、人に寄り添うサービスならではの長い業務時間が課題でした。
そこで、働き方改革の推進とともに業務の効率化のために業務効率化ツールのひとつであるRPAやエクセルVBAなどを活用し、各種業務の自動化を行ったところ、1,200時間/月(14.4万時間/年)の労働時間削減を実現しました。
自動化することで単調な反復作業で工数を割く必要がなくなり、従業員のパフォーマンスも向上しました。
この企業はさらに、残業時間の削減や在宅勤務の推奨など、様々な業務効率化を実現している企業です。
web会議とテレワークなどITツールで業務効率化を実現
東日本電信電話株式会社(NTT東日本)は、生産性向上を目指し、事務作業を初めとした時間的コストの短縮に努めました。主な施策としては以下の通りです。
- 在宅勤務を積極的に活用
- Web会議を導入
- 時間外労働を夜型から朝方にシフト
その結果、時間外労働が13%減少し、月間時間外労働が45時間以上の社員が34%も減少しました。
社員からは、限られた時間でどう効率的に働くかを考えるようになったという声が寄せられています。
データベースの一元管理で業務効率化を実現
大手人材広告企業の株式会社マイナビでは、全社的なデータベースソフトの導入によって業務効率化を実現しました。
マイナビは部署ごとに業務内容にマッチした様々なシステムを作成し利用しています。質の高いサービスを提供するには、部門間の連携が不可欠でした。そのさまざまなシステムを同じデータベースで共有しやりとりすることで部門間の顧客管理がスムーズに行えるようになりました。
セルフサービスでの開発ができるので、いつ営業の方針が変わっても自分たちで効率の良いシステムを構築し、ストレスなく活動することができているそうです。
環境整備で業務効率化を実現
製造業のひとつである株式会社ブリヂストンでは、さまざまな環境整備を行うことで結果的に業務効率化を実現しています。主な施策は以下の通りです。
- 会議スペースの用途別ルールの徹底
- フリーアドレス導入
- RPAやIOTによる自動化
他にもさまざまな業務効率化について、従業員からの気づきによって実現しています。それにより、生産性の向上や従業員間のコミュニケーションにも好影響が出ており、結果的に年休取得日数や介護休暇取得日数が増加しました。働き方で雰囲気が改善した一例です。
今回ご紹介したものの他にも、業務効率化の手法は多岐にわたります。ぜひ自社に合った方法を見つけて、積極的に取り入れてみてください。
業務効率化の3つのアイデア
業務効率化のアイデアは多岐にわたります。こちらではここまでの事例も加味して、会社の成長や管理に欠かせないさまざまなデータの集計や分析に関する業務の効率化のアイデアを、3点厳選してご紹介いたします。
自動化する
そもそも仕事をなくしてしまう考え方です。
データを抽出する作業の反復作業が日常的に存在していれば、Excelのマクロを使ってワンクリックで自動化することができ、大幅に時間を削減することができます。人の手で行うからこそ起きるケアレスミスなども消失します。日々の業務の時間が空くことで、さらに生産性の高い業務に着手することが可能になります。
さらに複雑な表への入力や表間の移動、大規模な計算をするといった定型作業が反復して行われているならば、RPAツールの導入を検討するとよいかもしれません。
データベースの活用
企業は部署内にとどまらずたくさんのデータを保存しています。データを上手に使えば業務の効率化や属人性の排除にも繋がります。
顧客情報のデータを一貫してデータベースツールで管理・運用することにより、顧客を待たせない、漏れのない仕事が可能になります。データベースを有効に活用することでカスタマーサクセスの評価が上がったという事例もあります。情報システム部門に負担が集中しにくいノーコードやノンプログラミングのデータベースを使えば、自分たちで会社の業務形態に合った業務効率化システムを作成することが可能です。
また、データベースに一律で管理することにより様々なフォルダからデータを探す手間が省けます。
ナレッジを共有する
従業員ごとに情報の理解やデータの蓄積・活用にムラがあるなら、今までのナレッジを文書にした業務マニュアルの作成も有効です。マニュアルを活用することで、あいまいに作業することで起こるミスも減ります。
特に営業や企画などの個人の経験やスキルにムラが生まれ、案件も属人化しがちな業務では、正攻法のナレッジなどの情報を共有することが大切です。情報をきちんと共有することで従業員が取るべき行動がわかり、業務の自信につながることもあります。
共有された過去のデータを利用して生産性を高めるためにも、今までの業務の属人性を排除し、わかりやすいフローや成果の見える化を進めていきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。業務効率化を実現することで売り上げの増加だけでなく、様々な効果を得ることができます。
まずは、目的を定め、現状の課題をしっかりと把握するところから初めてみてはいかがでしょうか?
業務を大幅に改善するには、やはりツールの導入が一番だと言われています。用途別にさまざまな業務効率化ツールをご紹介していますのでぜひご覧ください。
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