情報担当者のためのQ&A
- Q1.情報モラル教育の進め方
- Q2.有害サイトへの対処
- Q3.卒業式を盛り上げるために
- Q4.全校的に情報教育に取り組むには
Q:卒業式を盛り上げるために
卒業式のシーズンが近づいてきました。ここ数年で学校に充実してきた情報機器を上手く活用して、 卒業式を盛り上げるよい方法はないでしょうか。
A:映像や音声をリッチにすることはもちろん、さまざまな可能性があります。
プロジェクターの活用
情報機器を活かす上でまず考えられるのは、やはり画像、映像など、視覚効果を高めるための利用です。
その代表格がプロジェクター。パソコンのデータやビデオなどもそのまま表示できるので、OHPなどに比べると準備が非常に楽です。 また、パソコン上のプレゼンテーションソフトなどの操作をリモコンで行える機種もあり、行事の運営・進行上のメリットもあります。最近の機種は光量(輝度)も高く、会場をそれほど暗くしなくても鮮明な画像が得られるという長所も見逃せません。
プロジェクターをどう活かすか
そのように便利なプロジェクターですが、要は活用のアイデアです。ここでは、現場の先生方からお寄せいただいたいくつかのアイデアをご紹介します。
●卒業証書を受け取る姿・表情を見せる
保護者やその他の皆さんには、子どもたちが証書を受け取る後ろ姿しか見えません。そこで、その姿や表情を、校長先生(授与者)の側からとらえ、その映像をプロジェクターに入力して、スクリーンに投影します。
●学級ごと、部活ごとのスライドショーを見せる
子どもたちの入学以来の姿をスライドショーにして投影します。卒業証書授与のタイミングで、子どもたち一人ひとりの分を映すというやり方もありそうです。
●子どもたちの「将来の夢」を見せる
子どもたちの「将来の夢」を、あらかじめビデオで撮影しておき、これも卒業証書授与の際、各人の呼名、証書受け取りまでの間に流していきます。
●下級生や先生方からのメッセージを見せる
卒業生が関係した先生で、転任された方のメッセージなどを加えるのもいいでしょう。
その他のアイデア
プロジェクターなどに比べ、幅広く活用されている情報機器にデジタルカメラがあります。
撮影やプリントアウトが簡単なので、さまざまに活用できます。例えば、卒業生の姿を撮影しておき、それをプリントアウトして会場の装飾とするというアイデアもあります。式典終了後は、記念に持って帰ってもらうことも可能です。
情報機器の活用は、その表現自体にも魅力がありますが、同時に、その素材作りの間口を広げる効果も期待できます。ビデオ素材の制作など、かつては業者任せだった作業が、先生や子どもたち自身の手で可能になったことは、卒業式を「手作り」にしていく上でも有効です。
上記のプロジェクターを使ったアイデアについても、各々の素材を、誰がどのように用意するかを考えれば、卒業式という行事を、学校全体が一丸となって作り上げていく行事にすることもできるでしょう。
新しい可能性と問題点
卒業式に出席できない保護者などを対象と想定した、卒業式のストリーミング中継なども可能です。しかしこの場合、ネット配信が公衆送信に当たるという解釈があることから、式で流れる音楽などの著作権といった問題が出てきます。
また、卒業証書授与の際の呼名で名前と顔が一致することから、そうした個人情報のネット配信というデリケートな問題もありそうです。パスワード保護による利用者限定など対策は可能ですが、ここでは可能性と問題点の提起にとどめておくことにします。
(編集部)