【主要6製品】
BIツールを徹底比較!導入に失敗しない3つのポイントとは<市場・シェアも解説>
- BIツールを比較して自社にあった製品を探したい
- ツールを比較・検討するとき何をポイントにすれば良いかな
- BIツールの導入に向けて市場やシェアなど基本的な情報が欲しい
本記事では、BIツールについて市場やシェアを調べて広く情報を集め始めた担当者から、BI製品をいくつかピックアップして検討を始めたいという担当者まで、BIツールを比較・検討するために必要な情報をまとめて掲載しました。
BIツール自体の詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
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BIツールを完全解説〜ビジネスインテリジェンスの概要・他システムとの違い・機能・メリット・デメリット・選び方〜
BIツールの調査で、「使いやすさNo.1」を獲得したActionisita!をご提供するなかで培った経験と知識を活かして、まとめました。
それでは参りましょう!
自社に最適なBIツールは?
BIツール徹底比較
無料トライアルもある3つの主要BIツールを比較しながら、自社に最適なBIツールはどれか、ツール検討時のポイントをご紹介しています。ぜひ、お役立てください!
BIツールを比較するための前提知識
まずはじめに、BIツールを比較するための前提知識として以下をご紹介します。
- BIツールの市場規模
- BIツールの主な機能
- BIツールでできること
それでは、一つずつご紹介していきます。
BIツールの市場規模
最初に、BIツールの市場規模について紹介していきます。
BIツールは、一般的にBA(ビジネス・アナリティクス)や「BDA」(ビックデータ・アナリティックス)と呼ばれる業務システム領域の一部として考えられています。
BAやBDAは、「BI(ビジネス・インテリジェンス)」などでの分析結果から、将来を「予測」し、どのような戦略をとるべきかという意思決定をおこなうためのシステムやソリューションのことをいいます。
リサーチ会社のIDCジャパンは、2019年7月にBIを含む国内ビッグデータ/アナリティクスソフトウェア市場としての全体の市場規模を発表しており、2018年は前年比9.6%増の2,778億7,500万円と発表されています。
この調査は、毎年行われており、BI/分析ツール、パフォーマンス管理/アナリティクスアプリケーション市場の3中分類市場と中分類市場に含まれる12の機能別市場に分けて調査しています。
IDCジャパンの2016年度の発表ではBIについて「セルフ型BIツール」がBA市場の成長を牽引していると、述べられていました。
これは、最近耳にすることも多くなった「データ・ドリブン・経営」あるいは「データ・ドリブン・マーケティング」といったデータ分析を中心とした事業運営手法、それも「情報システム部門主導」だけでなく「現場主導」による「データ・ドリブン・ディシジョン・メイキング」がビジネスの主流となりつつある、という現在のトレンドを反映しているといえます。
この記事を読まれている皆さんも、ニュースやメディアで「ビッグデータ」や「データドリブン」といったコトバを目にし、あるいは耳にし、それがきっかけで具体的に「BIツール」の導入を検討し始めたというケースも多いのではないでしょうか。
BIツールの主な機能
それでは、次にBIツールとはどういったものなのかを簡単におさらいしていきましょう。
そもそも「BI(ビジネス・インテリジェンス)」とは、企業内に存在するさまざまな「データ」を収集・蓄積・分析することで、経営上の「意思決定」に役立てることを指します。
その中で、「BIツール」が担う部分は大きくわけて以下の3つです。
- データの収集・蓄積・統合
- データの分析・集計
- データの可視化・ビジュアライズ
これらを元に、「ヒト」が意思決定をよりスピーディーに、的確に行っていくためのツールです。
その中で、機能的な分類でわけると以下の4つに分けられます。
- レポーティング
- OLAP分析
- データマイニング
- プランニング
ここでは、それぞれを簡単に解説致します。
レポーティング
必要なデータを必要なタイミングで取り出し、経営者やマネージャーが見やすいように「ダッシュボード」などにまとめて共有することができます。
KPIなどのパフォーマンスチェックや、「異常の感知」をすばやくすることで、意思決定を効率よく行えます。
OLAP分析
OLAPとは「Online Analytical Processing(オンライン分析処理)」の略で、蓄積したデータを「スライシング」「ドリルダウン」などの処理を行うことで、要因を深掘り・特定するための分析手法です。
近年のBIツールは「インメモリ」という高速処理技術により、これらの処理を画面上でスピーディーに行うことが可能です。
データマイニング
データマイニングとは蓄積したデータに対して、統計的な処理を行うことで、経営やマーケティングを行ううえで有効なパターンや傾向をつかむための分析手法です。
データマイニングツールはクロス分析や相関分析、回帰分析といった複雑な統計分析を行うことができるツールです。
プランニング
主に経営者が「予算編成」などに使うためのもので、過去のデータをもとに「シミュレーション」を行い、その計画の根拠を得るためのツールです。
「What-if分析」などを使い、条件の変化によって売上や利益がどのように変化するのかをシミュレーションすることができます。
BIツールで出来ること
BIツールを初めて比較・検討する方にとっては、言葉の意味はわかっても、具体的にどんなことが出来るのか、またイメージがつかないという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、具体的にBIツールを比較するための前提知識として、最後にBIツールでどんなことが出来るのか、具体的な活用事例を4つほど紹介していきます。
経営指標の効率的な把握によるスピーディーな意思決定
経常利益や損益分岐点などの自社に必要な「経営指標」をBIツールでは簡単にグラフ化したり、レポーティングすることが可能です。
自社の経営指標を効率よく把握することで、意思決定のサイクルを最適化することが可能です。
日々変動する環境に合わせた売上予測のシミュレーション
企業が目標を達成するためには、変化する内的、外的環境に対して即座に対応していかなければなりません。
BIツールを活用することで環境要因による変化を予測することが出来、より緻密な戦略を立てることが可能になります。
効果的でより確実なマーケティング施策の立案
売れ筋商品や、時期的なトレンド、地理的な条件など、複数のデータをクロス分析することなどで、「データ・ドリブン」なマーケティング施策を行うことができます。
行動履歴や売上構成比から導き出されるより的確な販売戦略
売上状況を「ドリルダウン」してその構成比などを分析することで、課題を抽出し、営業マンの商談状況などの「行動履歴」と照らし合わせることでより的確で効果的な販売戦略を提案することが可能です。
BIツールの比較を主要6製品で徹底解説
ここまでBIツールの比較を始める前の前提知識として、BIの市場規模や機能、出来ることを解説してきました。
それでは、ここから今回、BIを比較・検討する担当者に向けて、具体的なBIツールの比較を始めていきます。
業界は外資系の企業も多く参入しており各社のシェアは具体的には発表されていませんが、主要なプロダクトは以下の6つと言えるでしょう。
- Tableau(タブロー)
- Oracle BI(オラクル ビーアイ)
- Qlik Sense(クリックセンス)
- MotionBoard(モーションボード)
- Yellowfin(イエローフィン)
- Actionista!(アクショニスタ)
「BIツール」の多くが「ライセンス」による課金体系を採用していることから、利用者の数によっておよそのコストが決まってきます。
当然、「継続的に」利用できた方が「ツールにかかるコスト<ツールによる効果」となる可能性が高くなります。
それでは6製品の比較をしていきましょう。
Tableau(タブロー)
1つ目はTableau Japanが提供するBIツール「Tableau」です。
概要 | 形式 | 対象規模 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
ドラッグアンドドロップで操作可能、オンプレミスとクラウドデータ両方に対応、ダッシュボードを自由にカスタマイズ可能、ドリルダウンやグラフのハイライトを簡単に、インストール後30分で利用可能というスピード | ソフトウェア | 企業規模問わず | ||||
ドラッグ&ドロップによる直感的操作 | ノンプログラミングでのデータ取り込み | SQLクエリによるデータ取り込み | ガイド、テンプレート機能あり | データマイニング機能あり | アクセス権などの管理コンソール機能あり | モバイルでの閲覧が可能 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
コスト | 提供企業 | 本社所在地 | トライアル | |||
Tableau Creator:1ユーザー/102,000円/年 Tableau Explore:1ユーザー/51,000円/年 Tableau Viewer:1ユーザー/18,000円/年 |
Tableau Japan | アメリカ | あり(14日間) |
Oracle BI(オラクル ビーアイ)
2つ目は日本オラクルが提供するBIツール「Oracle BI」です。
概要 | 形式 | 対象規模 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
WEBやモバイルから閲覧可能。セルフラーニングのためのコンテンツが充実。オンプレミスとクラウドデータ両方に対応、ドラッグ&ドロップで操作可能、アクセス権限の設定が可能、推奨グラフなどのガイド機能、ドリルダウン | クラウド | 大企業・中堅企業 向け | ||||
ドラッグ&ドロップによる直感的操作 | ノンプログラミングでのデータ取り込み | SQLクエリによるデータ取り込み | ガイド、テンプレート機能あり | データマイニング機能あり | アクセス権などの管理コンソール機能あり | モバイルでの閲覧が可能 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
コスト | 提供企業 | 本社所在地 | トライアル | |||
詳しくはお問い合わせください | 日本オラクル | アメリカ | あり(30日間) |
Qlik Sense(クリックセンス)
3つ目はQlikが提供するBIツール「Qlik Sense」です。
概要 | 形式 | 対象規模 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
ドラッグ&ドロップによるビジュアライゼーション、スマート検索、ダッシュボードの共有、独自の「連想技術」とインメモリ技術で高速表示、キューブの構築は必要なし、定型分析よりアドホック分析向き | ソフトウェア | 企業規模問わず | ||||
ドラッグ&ドロップによる直感的操作 | ノンプログラミングでのデータ取り込み | SQLクエリによるデータ取り込み | ガイド、テンプレート機能あり | データマイニング機能あり | アクセス権などの管理コンソール機能あり | モバイルでの閲覧が可能 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
コスト | 提供企業 | 本社所在地 | トライアル | |||
Qlik Sense® Business/$30/月 Qlik Sense® Enterprise SaaS/$70/月 詳しくはお問い合わせください |
Qlik | アメリカ | あり(30日間) |
MotionBoard(モーションボード)
4つ目はウイングアーク1stが提供するBIツール「MotionBoard」です。
概要 | 形式 | 対象規模 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
階層設計やキューブ設計が不要、オンプレミスとクラウドデータ両方に対応、現在のExcelをそのままBIで分析可能 | ソフトウェア | 企業規模問わず | ||||
ドラッグ&ドロップによる直感的操作 | ノンプログラミングでのデータ取り込み | SQLクエリによるデータ取り込み | ガイド、テンプレート機能あり | データマイニング機能あり | アクセス権などの管理コンソール機能あり | モバイルでの閲覧が可能 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
コスト | 提供企業 | 本社所在地 | トライアル | |||
MotionBoard Cloud
Standard Edition ・MotionBoard Cloud 10ユーザー/30,000円~/月 ・MotionBoard Cloud for Salesforce 10ユーザー/45,000円~/月 |
ウイングアーク1st | 日本 | あり |
Yellowfin(イエローフィン)
5つ目はYellowfin Japanが提供するBIツール「Yellowfin Japan」です。
概要 | 形式 | 対象規模 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
モバイルでも閲覧可能、対話式のダッシュボードでデータを簡単に可視化。地図情報や人口調査との連携が可能、アクセス権限などの管理コンソール機能あり、スプレッドシートやウェブアプリケーションなどさまざまなデータに接続可能 | ソフトウェア | 企業規模問わず | ||||
ドラッグ&ドロップによる直感的操作 | ノンプログラミングでのデータ取り込み | SQLクエリによるデータ取り込み | ガイド、テンプレート機能あり | データマイニング機能あり | アクセス権などの管理コンソール機能あり | モバイルでの閲覧が可能 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
コスト | 提供企業 | 本社所在地 | トライアル | |||
詳しくはお問い合わせください | Yellowfin Japan | オーストラリア | あり |
Actionista!(アクショニスタ)
そして最後は、ジャストシステムが提供するBIツール「Actionista!」です。
概要 | 形式 | 対象規模 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
ドラッグ&ドロップで簡単操作、分析シナリオで最適なチャートを自動表示、ノンプログラミングでデータ取り込みが可能、分析テンプレートで簡単に目的にあったダッシュボード作成が可能、1ライセンスで企業内すべてのユーザーが利用可能 | ソフトウェア | 企業規模問わず | ||||
ドラッグ&ドロップによる直感的操作 | ノンプログラミングでのデータ取り込み | SQLクエリによるデータ取り込み | ガイド、テンプレート機能あり | データマイニング機能あり | アクセス権などの管理コンソール機能あり | モバイルでの閲覧が可能 |
○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
コスト | 提供企業 | 本社所在地 | トライアル | |||
問い合わせ | ジャストシステム | 日本 | あり |
トライアルができるものと、できないものがありますが、最終的に完全に無料で利用できる製品はありません。
最終的には比較する上で、トライアルやデモの利用をすることで、使いやすさも含めて自分たちが実現したいことができるかどうかを判断しましょう。
それでは、これらのプロダクトからどうやって自社にあったものを選ぶべきか、最後にBIツール選びに失敗しないためのポイントを解説していきます。
BIツール選びの失敗例と3つの重要なこと
「BIツール」はスピーディーで効率的な意思決定を支援する強力なツールで、さまざまなタイプのサービスがあります。
ただし、「選び方」を間違えると「使われないシステム」になってしまい、せっかく導入にかけたコストが「水の泡」になってしまいます。
本記事の最終章として失敗例と選び方のポイントをご紹介しますので、検討の参考にしてみてください。
よくある3つの失敗パターン
まずは、よくある失敗例として3つのパターンを紹介していきます。
導入前の選定にかけた時間や導入にかかったコスト、関わった人々の苦労が水の泡にならないように、反面教師としてご参考ください。
それでは、それぞれ見ていきましょう。
情報システム部門の業務負荷が急激に増大し・・・
A社では「情報システム部門」が中心となって、管理会計を効率的に運用するために大規模な「BIツール導入プロジェクト」をスタートさせました。
入念な比較検討を行い要件定義を行ったうえで、無事システムを導入することに成功しました。
ところが、いざ「現場」で使ってみるとデータの加工や分析には高度な専門的知識が必要で、それが担当者ではうまくできない。
結局、データの加工を都度「情報システム部門」に依頼することとなり、部門の業務負荷が増大。結局せっかく導入したBIツールも半年後には使われなくなってしまったとか・・・。
営業効率化のためにBIツールを導入したけど結局・・・
B社では社長が中心となって「データ・ドリブン」な企業経営をかかげ、高度なデータマイニング機能がある「BIツール」を導入しました。
経営層だけでなく、現場の営業担当にも「BIツール」の活用を促したのですが、「回帰分析」や「相関分析」などの統計知識がある営業担当はほとんどおらず、「宝の持ち腐れ」に。
結局従来までの「Excel」でのデータ集計や分析から移行しきれず、従業員の大半をしめる営業担当の分まで購入した高額のライセンスもほとんど無駄になってしまいました・・・。
BIツール導入後に組織変更が。その結果・・・
C社ではマーケティング部門のマネージャーと情報システム部門が中心となって、効率的なマーケティング施策実施のために「BIツール」を導入。
運営も軌道にのったと思いきや、グループ会社も含めた大きな組織変更があったために、それまで「BIツール」の運用を推進していたマネージャーが別の関連会社に異動することになりました。
後任のマネージャーには残念ながら「BIツール」の知識がほとんどなく、ほどなくしてせっかく導入した「BIツール」は使われないシステムになっていきました・・・。
BIツール選びで重要な3つのこと
それでは最後に、BIツール選びで重要な3つのことをご紹介します。
先の失敗例から学べることは、「BIツールを使う目的」や「使うヒト」を十分考慮しきれなかったことが要因だということです。
誰が、何のために使うのか、そしてそれが実現可能なのか、それをちゃんと押さえなければ「BIツール」の導入は失敗に終わる可能性が高くなります。
- 何のために導入するのか
- 想定される利用者は誰なのか
- 想定される利用者の知識はどれくらいか
これらを明確にすることでBIツールを「継続的に」活用することができ、その費用対効果をより高くすることが可能になります。
また導入や活用を「推進する」ためには以下の3つの要素(知識・スキル)が必要になります。
これらすべてを兼ね備えている人というのはいわゆる「データサイエンティスト」と呼ばれている方々ですが、残念ながらそのような人は一握りです。
そのことを考えると、上記3つの要素をどこが担当し、どこが補うのか、ということをしっかりと検討し体制を整えた上で、導入と活用の推進を進めていくとよいのではないでしょうか。
まとめ
本記事では、BIツールを比較・検討するために必要な情報をまとめて掲載しました。
今後、より多くのデータが企業内に蓄積されてくる中で、それらを武器として活用するためにも、BIツールの活躍の場はまだまだ広がっていきます。
この記事では具体的な失敗事例を紹介しましたが、逆にBIツールの導入に成功した事例をいくつかご用意しましたので、ぜひ参考にしていただければと思います。
自社に最適なBIツールは?
BIツール徹底比較
無料トライアルもある3つの主要BIツールを比較しながら、自社に最適なBIツールはどれか、ツール検討時のポイントをご紹介しています。ぜひ、お役立てください!