情報モラル教育を急げ!
第3回 ネット安全教室
保護者主導の情報モラル教育。NPO法人「e-Lunch」の取り組み。
これまで学校主導、企業主導の情報モラル教育についてお伝えしてきたが、今回ご紹介するのは保護者主導の情報モラル教育だ。保護者、特に主婦の立場で考える情報モラル教育とはいかなるものなのか、NPO法人「e-Lunch」を立ち上げた主婦らが講師を務める『ネット安全教室』を取材した。
主婦が作ったNPO法人「e-Lunch」
授業の様子。学校の先生以外の人に教わることは、子どもたちにもいい刺激になるようだ。
「みなさん初めまして。私たちはNPO法人『e-Lunch』と申します」
講師役の山田尚子さんの挨拶で『ネット安全教室』は始まった。パソコンの前で山田さんの言葉に耳を傾けるのは、焼津市立西小学校の6年4組の子どもたち。教室内には、クラス担任のほかに、e-Lunchの会員である主婦が2人、子どもたちのフォローに当たっている。
「NPO法人って何だか分かりますか?」
山田さんの問いに首をかしげる子どもたち。さすがに、子どもたちにはなじみのない言葉のようだ。
「簡単に言うと、同じ目的を持つ仲間が集まったサークルです。私たちの目的は情報化支援。今日は皆さんに、どうやったらパソコンやインターネットを楽しく安全に使うことができるか、知ってもらいたいと思います」
今回が2度目の講師役とは思えないほど、堂々とした山田さんの声が響く。
クイズ形式で子どもの緊張をほぐす
続いて、東京都北区立赤羽台西小学校のサイト内コンテンツ「気をつけようインターネット」を利用しての、リアルな体験学習に入る。
「プレゼント!」の言葉に誘われ、個人情報を記入し、送信してしまうとどうなるか、また、文通相手を探しているという掲示板の書き込みに応じ、名前や住所などの個人情報を書き込んでしまうとどうなるかなどを実際に体験する子どもたち。山田さんがそれらの危険性を説明する一方で、会員らは子どもたちのパソコンの操作をフォロー。会員同士の見事な連携により、子どもたちはスムーズに体験学習ができたようだ。
創立メンバーではない佐藤理美(さとう・りみ)さんは、市の広報でe-Lunchのことを知ったという。現在、お子さんは小学校に上がったばかり。今日は子どもたちのフォロー役。
「やはり取材が入ると緊張しますね。カメラのシャッター音を聞いて、頭が真っ白になってしまって」と語る山田尚子(やまだ・なおこ)さん。現在、お子さんは小学5年生。
e-Lunch理事長の松田直子(まつだ・なおこ)さん。お子さんは現在、中学3年生と中学1年生。もともとパソコン教室のインストラクターで、ご主人の会社はe-Lunchの賛助会員でもある。