JUST.DB 導入事例 JUST.DB 導入事例

導入事例

食品生産の需給管理にJUST.DBを活用
分析に充てられる時間を増やして精度向上を目指す

昭和産業株式会社 様

導入事例の概要

昭和産業では食品の需給管理におけるシミュレーション精度を向上させるため、非効率で属人化していたデータ活用の手法を見直し、過去のデータを効率よく取り出せてシミュレーションの時間を増やせる基盤の整備を目指していた。誰もが容易に利用でき、需給管理以外の課題にも対応可能で、要件の変化にも柔軟に対応できることからJUST.DBを採用。データドリブンな取り組みを支える環境を構築し、安全・安心な「食」の安定供給をさらに推し進める体制を整えている。

導入前の背景

データドリブンで業務を効率化・高度化したい

昭和産業では、コンビニエンスストアの商品供給において、需給管理の精度向上が課題となっていた。そこでExcelでの管理から脱却し、手間がかかる過去データの収集を効率化してシミュレーションに充てる時間を確保しようと考えた。また、各工場でシステムが異なり工場別のP/L(損益)分析や深掘りに時間を要していたため、統一の管理手法も必要だった。

JUST.DB 採用の理由

コストを抑えつつ複数の課題に対応できる

ExcelマクロやRPAの運用経験から、属人化排除のためにはツールの使いやすさが重要だと認識していた。それを踏まえ、手軽に学習できて操作も簡単なこと、複数の課題に同時に対応できてコストを抑えられること、自由度が高く導入後の改修がしやすいことなどを理由にJUST.DBを選定した。

導入後の成果

入力作業を大幅に削減し注力すべき業務に集中

JUST.DBへの移行によって、毎月の入力作業が120時間から実質0時間となり、コストも年間600万円削減できる見込みだ。シミュレーションにかけられる時間が大きく増えると同時に、属人化していた過去データの検索も可能となるため、シミュレーションの精度向上が期待されている。全社の取り組みであるDXの推進においても、先行事例として役立てられる可能性が高い。

手作業を効率化して需給管理の精度を向上したい

小麦や大豆など穀物の調達から販売まで手がける「穀物ソリューション・カンパニー」の昭和産業。1936年の創業時から生活に欠かせない安全・安心な「食」を安定供給してきた。

一般消費者からは天ぷら粉やホットケーキミックスなどで知られる同社だが、実は事業の大部分は食品メーカーなどへの原材料販売だ。大手コンビニエンスストアおよび関連メーカーも主要顧客であり、広域営業部では小麦粉や食用油などを大手コンビニエンスストアへ提供している。また、同社グループの製パン工場もサプライヤーとして商品をコンビニエンスストアに納めており、売上データから製造量や在庫量をコントロールするのも広域営業部の役割だ。

商品の特性や日々の気温・湿度などを考慮して正確に需給管理を行うには、過去データの活用が不可欠だ。広域営業部 担当課長 中條雄一氏は「Excelに蓄積したデータをExcelマクロやBIツールで集計するのですが、手作業で抽出して転記する必要があり、多くの手間と時間を要していました。その作業に毎日6時間ほどかかるため、製造シミュレーションに割けるのは2時間しかありません。集計を効率化してシミュレーションに充てる時間を増やし、需給予測の精度向上につなげたいと考えていました」と課題を明かす。

従来の手法では属人化も課題になっていた。検索機能が弱いため、経験者でなければ、参考にすべき類似商品の情報取得に漏れが生じてしまう。また、Excelマクロの改修で混乱が生じることも少なくなかった。さらに広域営業部では、工場別P/L分析・報告のためにグループ内のパン工場から必要なデータを集約しているが、工場ごとで社内システムを利用しており、統一化した指標を設定するのが難しい状態だった。

「手作業でまとめ直したデータはデータソースとリンクしていないので、何か指摘が入ると深掘りが大変です。また、複数のシステムにアクセスできるものでなければ対応できません。データの統一化と、疑問があれば誰でもドリルダウンできる仕組みを構築したいと考えていました」(中條氏)

このような背景から中條氏は、次の3つを実現するためのソリューションを求めていた。

①データドリブンの実現 : 集計されたデータから課題抽出し、次のアクションへつなげる
②属人化の解消 : 専門知識が不要で、誰でも容易に集計・分析できる
③データの統一化 : 既存システムを活用し、異なるデータを連携、共通指標を設定する

コストを抑えつつ複数の課題に対応できる

基幹システムの改修で上記3つの課題に対応することも検討したが、コスト面を理由に別の案も模索した。中條氏がジャストシステムに方向性を見出したきっかけは、先んじて取り組んでいた予実管理を効率化するためのツール選定だ。他部門で利用していたSFA(営業支援システム)を改修して新たなBIツールを導入する案があり、比較検討のために他社製品の情報を収集していたところ、取引先から「安価で使いやすいツールがある」とジャストシステムを紹介された。

「Webサイトから問い合わせたところ、BIツールのActionista!が最適ではないかという提案がありました。さらに需給管理の話もしてみると、JUST.DBで解決できそうなことや、SFAの改修と変わらない費用で需給管理と工場別P/Lの課題にも対応できることが判明しました。1つのツールで複数の業務に対応でき、さらにコストも抑えられる点が魅力でした」(中條氏)

ツール選定では習得や操作の難易度も考慮した。中條氏は「以前のBIツールは辞書のように厚いマニュアルを読む必要があり、なかなか横展開が広がりませんでした。またRPAに関しても属人化して引き継ぎが難しく、操作も難しくて利用も広がっていませんでした。これらの先行ツールと同じ状況に陥らないためには、手軽に学習できて操作も簡単なことが求められます。さらに導入後も改修を繰り返すことが予想されるため、JUST.DBのような自由度が高いツールが望ましいと考えました」と振り返る。

JUST.DBを利用した取り組みの知見で全社DXのツール開発にも貢献したい

同社ではJUST.DBとActionista!を同時に契約し、中條氏によって導入と展開が進められている。現在はActionista!によって予実管理を行っている段階にあり、JUST.DBによる需給管理の効率化はこれから本格化を迎える。JUST.DBへの移行により、毎月120時間要していた入力作業が実質0時間となり、コストも年間600万円ダウンする見込みだ。その結果、シミュレーションにかけられる時間が大きく増えると同時に、属人化していた過去データの検索も容易となり、シミュレーションの精度向上が期待されている。

工場別P/Lのデータソース統一に向けては、まずは各工場の担当者がツールの理解を深めるために、ジャストシステムが提供するオンデマンドの学習コンテンツを用いているところだ。年度内の本稼働を目指して、既存システムのデータをJUST.DBに移行中である。

昭和産業は2025年度の創業90周年に向けて2023年4月、創業以来初となる営業組織の抜本的な改編を実施。豊富な事業ポートフォリオを最大限に活かして顧客に最適なソリューションを提供するために、事業別の“プロダクトアウト型”から業態別・顧客別の“ワンストップ型”に変革した。また、デジタルによる業務の高度化とDXに向けた推進体制の構築も同時に進めている。例えばDX推進人材の育成として、ノーコード開発ツールなどのデジタルスキルを各部署のデジタル推進者に習得させて、自部署の課題を解決できる体制を目指している。そして、ワンストップ型営業を強力に支援するツールとして多角的分析DB・ダッシュボードの導入にも着手している最中だ。

これらの施策が進められる中、中條氏は「JUST.DBによる取り組みで得た知見は、全社の取り組みに活かせるはずです」と話し、今後のさらなるツール活用、そしてそれによる全社的な改革に意欲を示している。

中條 雄一 氏

昭和産業株式会社
広域営業部 担当課長

中條 雄一 氏